
札幌市場で22日、ジリ安で推移していた市況の是正が進展したが、それでもなお適正な利潤からはほど遠い状況。販売業者の経営は疲弊の度を増すばかりだが、そうした中でも18地方石協の多くが社会貢献事業に取り組む。15日には宗谷石協が道立宗谷ふれあい公園で除草活動を、また、19日には留萌石協が留萌市立港南中学校で防犯・交通安全教室を実施。燃料油の安定供給を使命としながら「地域とともに」歩む石油業界を強くアピールする。
北石連傘下18地方石協の多くが、本年度も引き続き事業計画に地域貢献事業を盛り込む。高齢者や女性、子ども達といった社会的弱者を犯罪などから守る「駆け込み110番」をはじめ、灯油配送時の独居老人宅への声かけ、献血、清掃、交通安全街頭啓発など活動形態は多種多様。地域行事や森づくりへの支援といったものもある。
需要の減退などから業界を取り巻く環境はますます厳しさを増すが、こうした活動で「地域とともに」歩む姿勢をアピールすることは、軸足を地域に置く業界にとって不可避と言えそうだ。
【留萌】留萌石協(対馬健一理事長)は19日、留萌市立港南中学校(冨田正夫校長)で「防犯と交通安全教室」を開催した。
この事業は、平成21年度から行っている地域貢献活動の一環で、全校生徒と教員合わせて185人が参加した。
冒頭、石黒朋幸理事が「事件に巻き込まれない知恵を身に付け、楽しい夏休みを」とあいさつ。
教室では、留萌警察署生活安全課の小林友則課長が「夜は明るい道を選んで歩くこと、ネットの誘惑に乗らないことなど被害に遭わない行動を心がけ、犯罪に巻き込まれたら助けを呼び、近くのSSに避難して警察に知らせるなど、自分で自分の身の安全を守ることが必要」
と強調。
そのあと、同署交通課の齋藤勝課長が「交通事故は、歩行者や自転車も含めた全員が注意すれば防げるもの。歩きスマホをしない、自転車で並走しないなどの交通ルールを理解し、守ることが必要」と呼びかけた。
最後に、安達朋晶生徒会長が「教えてもらったことを守り、気を付けて生活したい」とお礼の言葉を述べた。
【稚内】宗谷石協(菅原耕理事長)は15日、道立宗谷ふれあい公園で恒例の除草活動を実施。稚内支部を中心に12社および事務局から参加した20人が、あいにくの霧雨模様にもかかわらず、黙々と美化に励んだ。
これは、道が推進するアダプト・プログラム(市民が公共の場を清掃美化することを、行政が支援する取り組み)という社会貢献活動の一環で、平成18年度から開始して今回が11回目となる。
毎年、夏休みが始まる前のこの時期に行ってきているもので、同公園の事務局員は「宗谷石協の皆さんが毎年清掃してくれるので、大変助かっている。子どもたちも喜んでいる」と感謝しきり。
この日も1時間ほどかけて、展望台一帯の石畳通路に茂った雑草を丁寧に抜き取ったり、ほうきで泥を払うなど、どの参加者も汗だくになって役目を完遂。最後に皆笑顔でバーベキューを楽しみながら、互いの労をねぎらい、親睦を深めた。