灯油の「採用」を訴求
需要の防衛へ石油連盟
2016.7.15

住宅関係者100人余りを集めた札幌地区のセミナー
 都市ガスなどの攻勢が一段と強まる中、灯油需要防衛に向け石油連盟北海道石油システムセンター(今井祐介所長)は4日に帯広で、翌5日には札幌で「住宅セミナー」を開催。住宅の新築やリフォームなどの際、熱源選択に強い影響力を持つ建築設計事務所、工務店関係者らに灯油の優位性、有用性を訴え、積極的な導入を呼びかけた。3年目となる本年度は開催地をさらに拡大。今後、中標津や室蘭でも開催し、同様の呼びかけを行っていく。

 セミナーは北海道住宅新聞社(札幌、白井康永社長)との共催。十勝産業振興センターで開催した帯広地区セミナーには住宅関係者60人余り、北海道自治労会館で開催した札幌地区セミナーにも同様に100人余りが参加した。

 このうち札幌地区セミナーでは、主催者を代表して白井社長があいさつしたのに続き、システムセンターの芝田祐二副所長が石油情勢、協賛した日本ガス石油機器工業会の石井英明マネージャーが石油燃焼機器の市場動向などを説明。

 灯油、電気、都市ガスそれぞれの価格体系から説明を切り出した芝田副所長は、新省エネ基準のWEBプログラム上ながら、ランニングコストで灯油が最も優れていることを強調したほか、原油情勢に触れる中で「石油は次世代においても豊富に存在する」ことなども訴え、灯油の積極的な採用を呼びかけた。

 セミナーではまた、温熱知識の活用などで注目を集めるオーガニックスタジオ新潟代表取締役の相模稔氏が「小さな工務店の経営戦略」をテーマに特別講演。ハウスメーカーの営業マンだった自身が、中越地震などによる建て替え需要の喪失を機に「仕方なく」踏み切ったという工務店経営のその後を振り返った。

 中で相模氏は、量産型スタイルを真似しないこと、商圏を狭くすることを方針としつつ、温熱知識の活用などによる徹底した差別化や情報発信力の強化が飛躍的に業績を伸ばす要因になったことを強調。また、本道の家づくりには超高断熱と灯油タンクによるエネルギーの備蓄が欠かせないことを「北海道に来て感じた」とも述べた。

 システムセンターでは今後、山本亜耕建築事務所の山本亜耕氏を講師に迎え11日に中標津、22日に室蘭でも同様のセミナーを開催する。


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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