課題の「認知」を要請
自治体の主導不可欠
2016.8.5

SS過疎地対策ハンドブックの内容説明が行われた
 資源エネルギー庁は26日、札幌市内の第1合同庁舎会議室で道内自治体担当者を対象とした「SS過疎地対策に係る説明会」を開催。SS過疎地対策協議会が今年5月にまとめたSS過疎地対策ハンドブックの内容を説明するなどし、対策の前提となる現状の認識、課題の認知に向けた取り組みを求めた。ただ、参加した道内自治体は、北海道のほかSS過疎地62町村のうちの3町村を含む5市町村だけ。石油製品の安定供給に支障をきたすなど、地域住民の生活を脅かしかねないこの問題に対する危機感の希薄さも一方で露呈した。

 市町村内のSSが3カ所以下、いわゆるSS過疎地は27年度末現在、全国で288市町村、そのうち道内には62町村あり、このほか最寄りのSSまでの距離が15km以上ある住民が所在する市町村も全国で257市町村、道内で72市町村ある。

 SS過疎地では、販売業者の多くが採算割れの厳しい経営を強いられており、これを放置すればSS過疎地がさらに増大し、石油製品の安定供給に支障が生じるばかりでなく、地域の衰退にもつながることが懸念されるところ。

 こうした事態の打開に向けては地方自治体のリーダーシップが極めて重要となることから、エネ庁では、自治体担当者を対象とした「SS過疎地対策説明会」を全国9カ所で開催してきている。

 道内5市町村の担当者を含む20人余りが参加した説明会では、エネ庁資源・燃料部石油流通課の宇野幸子係長が、SS過疎地対策協議会が今年5月にまとめた「SS過疎地対策ハンドブック」の内容を説明。

 先進事例に見られる3種類のアプローチ(①地域のニーズにきめ細かく対応する総合生活サービス拠点化②地域参加型でSSを運営する体制構築③ビジネスモデルの大胆な見直し)を、本道の占冠村トマム地区含む代表的な8つの事例と合わせて紹介するとともに、こうしたアプローチを実行に移すためには、課題の認知、検討、実践、評価・改善といった4段階のプロセスが必要だとし、まずは遅れている現状把握、課題の認知に向けた取り組みを参加者に求めた。

 意見交換では、伊達市の担当者が、大滝区(旧大滝村)唯一のSSが閉鎖したことを受け、過疎債の起債による閉鎖SSの取得、運営を目指しているものの、過疎債が認められず苦慮している実情を紹介。一方で他市町村担当者は、2SS、3SSだけとなっても住民からの苦情はなく、今のところ「切迫した状況にはなっていない」との認識を示した。

 これらに対し、オブザーバーとして参加した北石連の前川正一専務理事は、参加市町村数の少なさも引き合いに「危機意識が足りない」と苦言を呈し、官公需での災害時協定参加組合員、中小零細に対する配慮も含めた自治体の「主導」を改めて要請した。


北海道のガソリン価格予想
4月28日(月)から5月4日(日)まで
価格下降
値戻し後の下げ基調

04月30日付ヘッドライン

■業界取り巻く情勢共有 「定額補助」など俎上に 北石連・商理事会
■石油販売業者に「配慮」様々 官公需基本方針閣議決定
■価格高騰、車離れで油販苦戦 アプリ会員増加に注力 前側石油東北通SS
■洗車など増販策練る 道エネチャレンジベニータウン
■自分好みにホイールなど ホンダアクセスが自家用車のカスタマイズで調査