「石油セミナー」始まる
灯油需要防衛へ第2弾
2016.7.20

北見地区セミナーには石油販売業者ら50人ほどが参加
 【北見】石油連盟北海道石油システムセンターなどが主催する石油セミナー(全3回開催)が12日、北見を皮切りにスタートした。北見地区石油セミナーには石油・ガス販売業者ら約50人が参加。4月の電力小売全面自由化や元売再編、熊本地震による防災体制の見直し等に加え、イギリスのEU離脱決定など世界情勢が大きく変動する中、参加者は基調講演などを通して石油業界の将来像を見極めようと熱心に聞き入った。また会場には、エコフィールをはじめ各石油機器メーカーの最新鋭石油機器が展示され、高い関心を集めた。

 石油セミナーは、灯油需要の防衛に向け先にスタートした全道住宅セミナーに続く第2弾で、石油連盟北海道石油システムセンター、北海道石油システム推進協議会、日本ガス石油機器工業会の共催。

 北見市内のホテルで開かれた北見地区石油セミナーでは冒頭、主催者を代表して石油連盟北海道石油システムセンターの今井祐介所長が「原油価格はイギリスのEU離脱による株価急落などで先行きが不透明。また、電力の自由化等でエネルギーの垣根を超えた競争や提携が加速している。こうした状況を踏まえ、セミナーを有効活用してほしい」などとあいさつ。

 そのあと、石油連盟調査・流通業務部石油システム推進室の田島信昭マネージャーが、熊本地震での石油業界の対応等について詳しく説明した。

 また、日本ガス石油機器工業会の足立義彦技術委員長が、石油給湯器の市場動向等を説明した上で、ガスや電気とのエネルギーコスト比較で灯油の優位性を強調した。

 基調講演では、垣見油化の垣見裕司社長が「日本のエネルギー情勢と目指すべきエネルギー販売業」と題して豊富な知見を披露。東日本大震災におけるガソリンパニックの震源地が実は首都圏にあったと指摘した上で、熊本地震の復旧対応を詳細に検証した。

 さらに、原油価格に影響を及ぼすシェールガスの現況と中東情勢との関係性や、水素社会の展望などにも言及。日本の進むべき方向性を示した。

 最後に「真の顧客満足度は、従業員全員の心からのやる気と満足度から生まれる」ことを、事例も挙げながら解説した。

 なお、翌13日には旭川市内で垣見氏を講師に旭川地区石油セミナーが開かれた。このあと21日に開かれる函館地区石油セミナーでは、小野田敬氏が「電力・ガス自由化による石油販売業への影響と打ち手」と題して基調講演を行う予定。

主催者を代表しあいさつする今井所長

基調講演を行う垣見氏


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

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