灯油価格抑制など俎上に
災害対策でも熱い論議
2018.11.10

高騰する灯油価格や地域間格差、安定供給、輸送・配送 の共同化、
災害時の対応などに関し意見交換を進めた
 灯油の本格需要期を迎えたことを受け北海道経済産業局と北海道は1日、札幌第1合同庁舎道経産局会議室に消費者側、供給者側双方の代表らを集め平成30年度北海道地域灯油意見交換会を開催。今冬の灯油をめぐる情勢を共有するとともに、価格の抑制や地域間格差、安定供給、災害時の対応など諸問題を俎上に載せ意見、情報を交換した。

 意見交換会には、道内各地の消費者団体代表に加え、行政や関係機関などから22人が参加。供給者側代表として道内石油業界からは、JXTGエネルギー北海道支店の福田昭浩支店長、出光興産販売部北海道支店の福地一雄統括支店長、北石連の河辺善一副会長、北燃連の森川時夫会長、エネコープの渡邉美彦専務が顔をそろえた。

 中では主催者あいさつに続き、資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課の吉澤隆課長が石油流通業を取り巻く状況について基調説明。さらに石油連盟調査・流通業務部の半田裕一部長が灯油需給について、石油情報センターの橋爪吉博調査役が灯油価格について概況を説明した。

 吉澤課長は、4年後までの見通しも含めた油種別販売量推移や拡大しつつあるSS過疎地問題の現状、今年2月に立ち上げた次世代燃料供給インフラ研究会、31年度概算要求などに言及。

 半田部長は、10月27日現在の灯油在庫が262万kl、39日分となっていることを明らかにした上で、寒波などで需要が急増した場合でも、元売各社には増産への十分な余力があるほか、必要に応じて輸入による対応も可能であることから「今冬も安定供給に支障をきたす恐れは全くない」と強調し、橋爪調査役は原油価格について「今後も高値で推移することが予想される」としながら、地政学要因が先行きの不透明感を増幅させていることも指摘した。

 このあと各消費者団体から事前に出されていた質問に、まずは行政、関係機関、供給者側が回答するというかたちで意見交換に入った。

 高騰する灯油価格や地域間格差、安定供給、輸送・配送の共同化、災害時の対応、福祉灯油などが俎上に載り、価格については橋爪調査役が「米国によるイラン制裁の実施状況や、OPECなど主要産油国の動きを注視する必要がある」と、また、道経産局資源・燃料課の清野正樹課長が「下げ渋りなどに対してはヒアリングも実施し、適切に対処する」と回答。

 輸送・配送の共同化については河辺副会長、森川会長が、それぞれ実例も挙げながら、各社の配送コストに市場原理などが重なって「差」が出ていることを説明し理解を求めた。

 また、災害時の対応については、福田支店長や福地統括支店長が「事業継続計画(BCP)にのっとり供給体制を整えている」としながらも、油槽所への非常用発電機設置や共同利用基地の拡大を課題として指摘。半田部長は「自衛的備蓄も有効な手段」だとし、全石連が進める「満タン&灯油1缶」運動の推進を呼びかけた。

 これら回答を受け消費者側は「価格の抑制に対する国や元売の取り組みが見えない」とし、施策の見える化として国家備蓄の放出などを提言。さらに住民拠点SSの一層の周知なども求めた。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

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