安定供給「支障なし」
今冬灯油情勢を共有
2017.11.15

消費者団体や供給者側の代表ら21人が意見交換を進めた
 北海道経済産業局と北海道は2日、札幌第1合同庁舎道経産局第1会議室に消費者、供給者双方の代表らを集め平成29年度「北海道地域灯油意見交換会」を開催。今冬の灯油をめぐる情勢を共有するとともに、諸問題を俎上に載せ意見を交わした。中では安定供給にかかわり石油連盟などが「全く支障がない」ことを強調するなど、消費者側からの質問に答えていったが、今後の灯油価格をめぐり消費者団体の代表が噛みつくという場面も見られた。

 意見交換会には、道内各地の消費者団体代表に加えて関係機関、行政などから21人が参加。供給者側代表として道内石油業界からは、JXTGエネルギー北海道支店の粥川善広業務グループマネージャー、出光興産販売部北海道営業支店の楡井清志支店長、北石連の河辺善一副会長、北燃連の森川時夫会長、エネコープの渡邉美彦専務が顔をそろえた。

 冒頭、道経産局資源エネルギー環境部の八木雅浩部長があいさつしたのに続き、資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課の小山和久課長が石油流通を取り巻く状況について基調説明。石油連盟調査・流通業務部の小野森彦部長が需給、石油情報センターの橋爪吉博調査役が価格にかかわって概況を説明した。

 小山課長は中で、燃料油需要の減退などを背景にSS数が減少し、その結果、SS過疎地も拡大しているといった現状のほか、整備が進む住民拠点SSや今年4月に構築した災害時情報収集システムなどにも言及。

 小野部長は今冬の灯油供給にかかわり、寒波などで需要が急増した場合でも元売各社には増産への十分な生産余力があるほか、必要に応じて輸入による対応も可能なことから「安定供給に支障をきたす恐れはない」と強調し、また、橋爪調査役は、灯油価格を左右する今後の原油価格の動向について「今月末に予定されているOPEC総会などでの協調減産協議の行方がポイントになる」としながらも「一本調子の上昇は考えづらい」との見通しを示した。

 このあと消費者団体から事前に出されていた質問に行政、関係機関、供給者側が回答するかたちで意見交換に入った。

 灯油価格や原油価格の見通し、安定供給、SS過疎地対策、災害時における安定供給、灯油価格の地域間格差、元売再編による灯油価格への影響などが俎上に載り、このうち安定供給に関しては粥川マネージャー、楡井支店長ともに「万全な体制を敷いており、全く支障がない」ことを重ねて強調。災害時の供給についても「最重要責務と考えている」とし、遺漏のないことを訴えた。

 また、価格の地域間格差に関しては、河辺副会長、森川会長が「各販売業者はギリギリのところで努力している」ことを訴えながらも、配送コストなどにより差が出ているのが現状だとして理解を求めた。

 これら回答のあと、値上げが続いている灯油価格に業を煮やした消費者団体の代表が「今後の価格がどうなるのか、具体的な数字を挙げて示してほしい」と噛みつく場面も見られた。

価格の地域間格差について答える左から河辺副会長、森本会長

安定供給には「支障がない」とする手前右から粥川グループマネージャー、楡井支店長


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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