年末年始商戦「例年並み」
悪路が災い 洗車は低調
2017.1.10

融雪による悪路が災いしてか洗車は低調だったという
 元売の統合問題に関する公正取引委員会の見解発表やOPECを中心とした減産合意、50年ぶりの大雪などが、年末・年始の商戦にどう影響を及ぼしたか、道内主要市場の動きを調べてみた。全体的には例年と対比して大きな変動はなかったようだが、洗車に関しては、融雪による悪路の影響もあって「低調」が大勢を占めた。一方で、年末・年始商戦は「過去の賑わい」と踏ん切りをつけて、攻めの販売戦略を仕掛け、増収を勝ち取った事例も。変容し続ける業界の中でいかに消費者心理をつかむか、待ったなしの1年が始まった。

 札幌市内および道央圏では、燃料油販売について「例年並み」との声が大半を占めたが、年末の大雪で道路状況が改善されずに年を越した札幌圏の一部地域では「昨年より増えた」という声も散見された。洗車は、雪が解けて路面が悪かったため「昨年より減った」とする声が圧倒的だった。

 道北圏の旭川では、燃料油販売、洗車ともに「例年並み」「給油も洗車も普段と変わらない」など、年末・年始ならではの活況を特段感じないとする声が多かった。あるSS所長は「今年初めて元日休業にしたが、顧客はこれまで元日営業していたことすら認識していなかった」と拍子抜けした口ぶりだ。

 道東圏の釧路では、札幌と同様に「燃料油は例年とあまり変わらずだったが、路面が濡れているので洗車需要は昨年より減少した」との声が大半を占めた。

 帯広では、フルSSの大半が「燃料油販売、洗車ともに例年より減少した」とする一方、セルフSSでは「燃料も洗車も昨年並みを維持できた」との声が大半を占め、明暗が分かれた。

 道南圏の函館では「燃料は例年並み、洗車は路面が悪かったため減少した」との回答が最も多かったが、競合他店への対抗策が功を奏したり、近隣SSの業態変更による顧客の流入現象が発生した事例もある。

 「年末・年始に限定してセルフに対抗した価格で販売したら、期間中、ガソリンが前年より8kl増えた」と話すのは函館市内のフルSS所長だ。また、同市内のフルSS所長は「年末・年始は現金客が増えた」と喜ぶ。商圏内のフルSSがセルフに転換したため、フルに慣れ親しんでいた高齢者が流れてきたのではないかと推測する。

 販売戦略の方向転換により、得るものと失うもの。前者を最大限に引き出し、後者を最小限に抑えるためにはどうすべきか。勝負の年が明けた。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

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