
消防法の改正で経年地下タンクなどには流出防止対策が義務付けられているが、今年3月末現在、道内の既設地下タンクで内面ライニングや電気防食などが必要な「腐食のおそれの特に高いもの」の措置率は97・4%、高精度油面計の設置だけでもいい「腐食のおそれの高いもの」の措置率は92・7%となっていることが道危機対策課の調査で明らかになった。ともに前年同期の措置率を上回っているが、全体で206本の地下タンクが「違法状態」のまま残されていることになる。
この調査は、道危機対策課が道内各消防本部を通じ3月末現在で行ったもの。それによると、道内の既設地下タンクのうち、埋設から50年が経過するなどして「腐食のおそれの特に高いもの」は地下タンク貯蔵所、給油取扱所、一般取扱所を合わせて382本(下表参照、以下同)で、内面ライニングや電気防食など必要な措置をすでに終えたものは、97・4%となる372本、また、埋設期間が40年など「腐食のおそれの高いもの」は合わせて2669本、高精度油面計の設置も含め必要な措置をすでに終えたものは92・7%となる2473本だった。
時間の経過に伴い新たに対象となってくるものがある反面、休止や廃止となるものもあるなど対象地下タンク数が刻々と変化することから単純な比較はできないが、昨年同期の前回調査と比べて措置率は「特に高い」もので1・3ポイント、「高い」もので0・1ポイント上昇している。
SSを含む給油取扱所に限ると「特に高い」ものが341本で、うち必要な措置を終えたものは98・2%の335本、さらに「高い」ものが1288本で、うち必要な措置を終えたものは96・8%の1247本。措置率では全体を上回っているが、47本が手付かずで残っていることになる。
給油取扱所ではこのほか設置年不明が11本あったほか、休止中が355本あった。
消防本部などでは期日までに措置できない場合でも、改修計画などで考慮すべき事情の有無を判断する方針を崩していないが、未措置のままでは行政処分の対象となることも考えられる。
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