官設民営SSオープン
道内初 伊達大滝区に
2017.9.20
 【伊達】SS過疎地解消に向けて自治体が設置、民間が運営する道内初の「官設民営」SSが8日、伊達市大滝区(旧大滝村)にオープンした。開所式には伊達市の菊谷秀吉市長や議会議員、指定管理者としてSSの運営に当たる出光系北海石油(室蘭、野口邦夫社長)など関係者49人が臨席し、晴れの開所を祝った。今、道内では76市町村が大滝区と似たような事情を抱えており、災害対策の観点からも、今回の官設民営SSの開設は好例となりそうだ。

 今年3月末現在、道内62町村が同一市町村にSSが3カ所以下の「SS過疎地」となっているほか、76市町村に最寄りのSSまで15km以上ある住民が居住している。

 こうした市町村では住民の利便性のみならず、災害発生時に住民が必要とする物資の上位とされる燃料油が入手困難となり、行政が災害対策上の瑕疵(かし)を問われる可能性があることもあって対策を講じることが求められている。

 そのような中、施設の老朽化に伴い大滝区内で唯一営業していた農系SSが今年3月末での撤退を決定。給油するためには、25km以上離れている壮瞥町や喜茂別町のSSまで行かなければならなくなった。

 これを受けて伊達市では農系SSの無償譲渡を受けて運営継続を決定。地下タンクの入れ替えを含め全面リニューアルを進めた。

 リニューアルに当たり市では、国が指定する過疎地域に適用される地下タンク入替費用への全額補助などの申請により、石油販売業者などが建設する場合の負担を大きく下回る額の一般財源(=自己負担)でまかなった。

 8日の開所式には、市や市議会、自治会、指定管理者の北海石油や出光興産の関係者など49人が臨席。

 菊谷市長、寺島徹市議会議長、野口社長、北海道経済産業局資源エネルギー環境部の八木雅浩部長、大滝区連合自治会の宇佐美雅弘会長がテープカットを行い、晴れの開所を祝った。

 開所に当たり、菊谷市長は「給油以外でも普段から気軽に立ち寄ることができるステーションとして、地域に資する施設にしていきたい」と、野口社長は「指定管理者に決定した弊社を、温かく受け入れてくれた地域住民の皆さんに、これから恩返ししていきたい」などと話した。

菊谷市長(中央)、野口社長(左から2人目)らによるテープカットで開所を祝った


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価格下降
仕切り価格、実質ベースで値下がり

05月15日付掲載予定

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