
需給不均衡是正への期待感に地政学的リスクが微妙にからんで、原油価格は小幅下げを挟みながらも今月初旬から上げ基調。中旬前に一服感が出た元売仕切り価格も、以降は値上げで推移しており、ガソリンの上げ幅はJXTGエネルギーの場合で4円になる。ところが道内主要市場、とりわけ札幌市場の転嫁への動きは鈍い。量販店の攻勢などを背景としたジリ安の進行が販売各社の経営をむしばんでおり、早急な対応が求められる。
米石油協会が公表した今月15日現在の原油在庫は、市場予想を大幅に下回る140万バレルの増加にとどまった。さらにはOPECの協調減産延長方針、米石油リグ稼働数の減少が伝えられたことで、需給不均衡是正への期待感が一気にふくらみ、原油価格は小反落を挟みながらも上げ基調で推移。WTI、北海ブレント、中東・ドバイいずれも4月中旬以来の高値を付けた。
元売仕切り価格も、今月第2週から第3週にかけては据え置きとなったが、原油価格の高騰を受け、それ以降は3週続けて値上がりし、JXTGエネルギーの場合、ガソリンの上げ幅は3週で4円に及んだ。
ところが今回に限って道内主要市場、とりわけ札幌市場の転嫁への動きが極めて鈍い。転嫁の必要性は誰もが認めながらも、それが具体的な動きとなって表れてこないのが現状だ。
札幌市場では8月最終週に、お盆を挟んで崩れた市況の是正が進み、レギュラーガソリン看板価格はフル131円、セルフ128円まで持ち上がったが、日を経ずしてジリ安に。今、120円を割り込む看板も散見されるようになり、販売業者の表情は暗い。
このまま行けば、かすかに見えていた「低マージン」脱却への光が消えかねない。不毛な価格競争は自殺行為であり、厳に慎まなければならないが、転嫁は健全経営への最優先事項。一日も早い対応が待たれる。
北海道のガソリン価格予想
6月16日(月)から6月22日(日)まで
価格上昇
週末、週初めに値上げ
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06月10日付ヘッドライン
■実勢反映、値下げ相次ぐ ガソリンは最大13円 道内35市燃料油納入価格 |
■大幅な値下げも顕著に 業者間に危機感 定額補助で道内各市場 |
■経年劣化対策を確実に LPガス事故防止へ道が保安方針 |
■好調車検、さらなる増販目指す 出光リテールセルフ北19条 |
■コーテュング増販順調 2カ月先まで予約 地崎商事八軒SS |