求められる「BCP」策定
災害時対応の橋頭堡
2018.4.20
 今年3月末までに道内236SSが住民拠点SSとして指定を受けた。中核SSや小口燃料配送拠点とも合わせ、大規模災害発生時の燃料供給体制は着々と整いつつあるが、それらSSにおける事業継続計画(BCP)の策定が今、改めて問われている。道内企業のBCP策定率は全国のそれを大きく下回り、とりわけ小規模事業者は立ち遅れているのが現状。与えられた使命をしっかりと果たしていくためにも、早急な取り組みが求められると言えそうだ。

 BCPとは、大規模地震や水害などといった緊急事態に遭遇した際、事業資産の損害を最小限にとどめ、さらには中核となる事業の継続や早期復旧を可能とするため、緊急時に行うべき活動や事業継続の方法、手段などを事前に定め文章化したもの。緊急時に事業を継続できるよう準備しておくことは、顧客からの信用、従業員の雇用のみならず、地域経済の活力を守ることにもつながる。

 今も全国各地で想定を超す規模の自然災害が発生し、今後30年以内に南海トラフ地震や首都直下型地震が70%の確率で発生すると言われる中、全国的に策定率は上がってきているが、自然災害への危機感が比較的薄いとされる本道での策定率は11%弱。全国のそれを大きく下回る。

 中でも、災害に起因する事業の中断が、そのまま廃業、倒産へとつながっていく可能性が高いと言われる小規模事業者の策定率は低く、立ち遅れているのが現状だ。

 BCPは、限られた人員や資金を優先的に投入する「中核事業」を決めた上で、それを何日以内に普及すれば資金繰りが持ちこたえられるかなどを算出した「目標普及時間」や、復旧阻害要因の除去方策、社内体制、訓練など定めた「対策」などを盛り込んでいくことになるが、様式や分量に制約はなく、策定は極めて容易。中小企業庁が策定した「中小企業BCP策定運用指針」でも、入門コースに加えて基本コースや中級コース、上級コースがあり、どこからでも入り込める。

 道内では今年3月末までに236SSが住民拠点SSとして指定を受けた。中核SS、小口燃料配送拠点とも合わせ、災害時における燃料供給体制は着々と整いつつあるが、それらSSにとってBCP策定は、与えられた使命を全うするための橋頭堡となるもの。そうした意味でも、早急な取り組みが求められていると言えそうだ。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

04月30日付ヘッドライン

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