防げ「誤注油」事故
道経産局 SS等に通知
2018.6.30
 今年5月に苫小牧市内でガソリン混入の灯油が販売されたことを受け、北海道経済産業局は20日、元売、北石連などのほか道内すべての販売事業者、SSに「適正な品質の確保」に関する児嶋秀平局長名の通知を発出し、誤注油・コンタミ事故防止に向けて、荷卸し作業時の立会い徹底や受入前後の地下タンク在庫量確認の徹底などを求めた。この種の事故に関する局長名の通知は初めてで、ガソリンに灯油が混入したのとは違い、火災など大事故につながりかねない今回のようなケースに、強い危機感を持ったためだとも言えそうだ。

 ことの発端は、アサヒ興産(函館、齊藤清人社長)苫小牧SSで5月12日、13日の両日、ガソリンが15、16%程度混入したと推定される灯油を42件、1380・34㍑販売したというもの。

 道経産局では発覚直後の15日、苫小牧市消防本部とともに立入検査を行い、改善報告書の提出などを指示。同月29日には児嶋局長自ら現地に出向いて2回目となる立入検査を実施し、改善報告書を受領するとともに、改善した注油口など諸設備を視認している。

 今回の通知は、原因がヒューマンエラーだったことや、ガソリンが混入したことで、火災などの大事故にもつながりかねない危険性をはらんでいたことなどから。

 この種の事故にかかわる局長名の通知は「初めて」だといい、元売各社や北石連などに加え、道内で揮発油事業に携わる石油販売事業者、SSすべてに発出した。

 通知では、販売事業者やSSに対し、誤注油事故の発生防止に向け、荷卸し作業時の立会いの徹底や受入前後の地下タンク在庫量確認の徹底、荷卸しする油種・数量及び注油口等の確認の徹底などを、さらに事故発生時における関係機関への早急な連絡を要請。元売各社や北石連などには、系列・傘下販売事業者、SS、運送会社に対する一層の注意喚起や事故防止にかかる指導の徹底を求めている。

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 道経産局は20日、同SSが空にしていた地下タンクへの注油を行ったことに伴い、資源・燃料課職員が現地に出向き3回目の立入検査を実施。灯油、ガソリン、軽油を抜き取った。

 これらについて石油協会札幌試験センター、千葉試験センターで品質検査を行い、問題がなければ、営業再開に向け動き出すことになる。

 なお、6件、194㍑が20日現在で未回収のままだという。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

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