災害時対応研修始まる
発災時の「困難」を想起
2016.10.20

シミュレーション訓練に取り組む参加者(釧路会場)
 地震や豪雨など自然災害が頻発する昨今、燃料油供給拠点であるSSの役割が改めて見直されている。そうした中で国の補助事業「災害時対応研修」が本道でも7日の釧路会場を皮切りに始まった。SSスタッフ自らも被災者となる発災時の燃料油供給は、想像を絶する困難に直面すること必至。5年目を迎えた本年度の研修でも、多くのSSスタッフが過去の災害から教訓を学び、シミュレーション訓練を通して店頭の混乱回避策を模索している。

 この研修は、緊急時石油製品供給安定化対策事業として、資源エネルギー庁から実施委託を受けた全石連が主催し、全国各地で開かれている。本道でも今月から来月にかけ5会場での開催が計画されており、これまで7日に釧路、11日に旭川での研修が終了。今後、27日に帯広、来月2日に函館、9日に札幌で開かれることになっている。

 中核SS、小口燃料配送拠点に加え一般SSも対象とした釧路、旭川での研修では、それぞれSOMPOリスケアマネジメントの間々田弘紀主任コンサルタント、円城寺昭上席コンサルタントが講師を務め、研修前半を講義、後半を店頭混乱回避シミュレーション訓練に充てて対応策の確実な定着を目指した。

 講義で両講師は、初の災害時石油供給連携計画発動となった今年4月の熊本地震、9月の関東・東北豪雨の被害状況や不眠不休で燃料油を供給し続けた中核SSなどの取り組みを紹介。さらに今後30年で60、70%の発生確率とされる南海トラフ地震や首都直下型地震の被害想定や応急活動計画、石油業界への影響などにも言及したほか、消防庁が策定した「災害対応ガイドライン」にかかわる相談事例にも触れ、事前の「備え」が極めて大切であることを重ねて強調した。

店頭混乱回避策も模索
 後半のシミュレーション訓練では、中核SSで可動式緊急用発電機1機を保有、季節は2月、地震発生から3日が経過したものの近隣SSのほとんどが営業を再開していないなどとの想定で、負傷者を搬送する乗用車に緊急給油を依頼された場合など様々なケースの打開策をグループごとに検討し、「正解のない答え」を導き出していった。

 中には、大口得意先の社長から「こんな時のために給油はオタクに一本化しているんだ!せめてトラック5台に軽油を給油してくれないか」と懇請されたという悩ましいケースもあり、参加者は対応の難しさを痛感したようだ。

講義では熊本地震の教訓などを学んだ(旭川会場)


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格下降
仕切り価格、実質ベースで値下がり

05月15日付掲載予定

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