泡消火設備による消火訓練
札幌市消防局白石消防署は7日、関係機関と連携し「サービスステーション震災時緊急給油訓練」を実施した。札幌市が主体となる訓練は初めてで、自治体と民間企業・団体が協力し自主財源で実施する全国的にも珍しいもの。フィールド内で発生した火災を消火する訓練では泡消火設備を作動したほか、緊急用過般式ポンプを地下タンクに接続し、携行缶に給油するまでの一連の動作を行うなど「消防署目線」による内容を取り入れた訓練となった。
札幌市消防局白石消防署が札幌石協やJXTGエネルギー、タツノ、北海道エネルギーと連携し実施した訓練で、札幌市白石区内の北海道エネルギーチャレンジ北郷新道SSが会場となった。
6月3日から9日まで全国一斉に行われる危険物安全週間に合わせ、大規模震災時におけるSSの被害拡大防止や緊急車両への給油方法の確認を目的としたもので、札幌市が主体となるこの種の訓練は初めて。自治体と民間企業・団体とが協力し、自主財源で実施する全国的にも珍しい訓練となった。
訓練では、札幌市内で震度6強の直下型地震が発生したという想定で消火・通報訓練と緊急給油訓練とを実施。
消火・通報訓練では給油中の客が地震発生に驚きフィールドに流出させたガソリンに引火したという想定で、災害発生時の通報や所長からスタッフへの指示伝達、小型消火器や泡消火設備による初期消火、消防隊員への引き継ぎを行った。
引き続いての緊急給油訓練では、緊急用発電機への接続や計量機から緊急車両への給油を行ったほか、緊急用過般式ポンプによる給油も実施。所長役とスタッフ役の2人が連携し地下タンクの漏水チェックから、地下タンクに接続してガソリン携行缶に給油するまでの一連の動作を進めた。
終了後の講評では、所長役を務めた同SSスタッフの杉山弘一氏が「可搬式ポンプの操作を体験できたことは貴重。他のスタッフに広めたい」と振り返り、同じくスタッフ役を務めた栗林輝章氏が「きょうの体験を活かし、災害発生時には率先して対応したい」と力強く決意を披れき。
また、協力者を代表して札幌石協の上島正光専務理事が「災害発生が厳冬期の可能性もあり、速やかな対処法を体験できるSSでの訓練は大変意義深い」などとする河辺善一理事長のメッセージを代読。
最後に白石消防署の田口康博署長が「冷静かつ安定感のある対応ができていた。災害発生時の最後の砦となるSSに大いに期待したい」などと述べ締めくくった。