「油の劣化」が進行!?
業界のリードが不可欠
2017.12.20
 大規模地震など災害発生による停電に対応すべく、公的機関や自治体、病院などでは「緊急用発電機」を備える。ただ、これまでの災害発生時に、使用せざるを得ない状況に陥ったにもかかわらず、使用できなかったというケースもなくはない。その理由のひとつが、平時からの作動訓練を行っていないことによる燃料油の劣化だ。緊急用発電機が有事の際にきちんと作動するよう、燃料油に熟知した石油業界が率先して呼びかけていく必要がある。

 災害発生時に備え公共機関や自治体、病院などが設置する緊急用発電機は、大きな発電量が求められることから、最近になって灯油やLPガス仕様の大型発電機が登場したものの、ガソリンやA重油仕様のものが多くを占めている。

 石油連盟北海道システムセンターや地方石協が道内の自治体を訪れ、災害に強い石油製品のメリットや、平時からの石油の活用を呼びかける際にも「油の劣化」に対する留意を訴えているが、ほぼすべての道内自治体が人口減少による自主財源の確保や国からの地方交付税減額に苦慮し、厳しい財政を強いられる状況の中で、優先順位を低くしている現状がある。

 ある自治体への訪問に臨席した道央圏の燃料販売店経営者が「取引先から緊急用発電機の劣化した燃料の交換を受注したが、除去した燃料は産業用廃棄物として処分費用が発生し、新たな燃料の給油も必要になるため二重に費用が発生する」と話すとおり、経費削減策として災害用燃料へのメンテナンスを後回しにすることが、逆に非効率な経費の支出を招くにもかかわらず、災害対策担当者の認識は薄い。特に収益性が求められる病院などでは、その傾向がより顕著だ。

 こうしたことから、自治体や病院など緊急用発電機を有する施設の管理者に対し、燃料油のプロである石油販売業者らが率先して周知、啓発していくことが不可欠。さらには緊急用発電機を有する自治体や病院などが積極的に対応できる環境をつくるため、国の制度創設に向けた取り組みも必要となりそうだ。


北海道のガソリン価格予想
4月29日(月)から5月5日(日)まで
価格下降
仕切り価格値下げのため

04月30日付ヘッドライン

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