灯油への苦情、不満様々
「断ったのに勝手に給油」
2017.2.10
 断続的な寒波の襲来で需要が旺盛な灯油。札幌などでは50年ぶりと言われる大雪に見舞われながらも、各販売業者は安定供給に全力を傾けるが、一方で消費者側の価格や契約、配達などに対する不満は決してなくならないようだ。北海道立消費生活センターや札幌市消費者センターには今シーズンも「苦情」が様々寄せられている。中には「単なる行き違い」と思われるものも少なくないが、灯油の変色や強引な勧誘に関するものなどもあった。

 石油輸出国機構(OPEC)の減産合意に伴う原油価格の高騰から、60円台でシーズン入りした灯油価格は15円程度値上がりしているが、価格そのものに対する苦情は例年に比べて少数。それでも「ほかと比べて高いのではないか」といった疑念はなかなか消えないようで「ニュースなどで発表されている価格より10円ほど高いが、どうして違うのか」といった問い合わせが相次ぐ。

 また、価格をめぐっては説明不足や行き違いも多いよう。請求書を見て初めて値上げを知ったことに対する不満や、値上げの理由を販売業者に尋ねても「あいまいな答えばかりだ」と憤る声があった。さらには「各種調査に比べ高いと指摘したら、販売店から値下げするとの連絡があった。下がるなら歓迎だが、根拠が不明」との困惑も。

 例年、消費者の不評が集中する少量配達に関しては「400㍑以上でなければ配達できないと言われた」といったもののほか「団地だというだけで配達しないと一方的に電話を切られた」という無念さを言外ににじませる苦情もあった。

 ネットで検索し、口コミの評判が良かった販売業者に配達を依頼したという分譲マンション居住者は「約束した配達時間を守らないばかりか、ネットの表記より価格も高かった」と苦言。

 このほかにも「断ったのに勝手に給油し、請求書と振込用紙を郵便受けに入れていった。どうしたらいいのか」といった高齢者の声や、変色、濁りを指摘するもの、配達の際の給油量に疑問を感じるといったものなどが寄せられている。

 こうした苦情は、両センター合わせてもまだ20件強と極めて少ないが、顧客目線に立つ商売を進める上で、消費者側の要望がどの辺にあるのかを探る参考になりそうだ。


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5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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