
今年も残すところ1カ月となり、師走商戦に突入する。例年より早い降雪、記録的な寒波の襲来で「命綱」でもある灯油は活況を呈し、スタッドレスタイヤやバッテリーなど冬物商品の販売もまずまず。ガソリンも「需要は旺盛」とする販売業者が多く、質・量の量的部分に心配はなさそうだが、末端転嫁の遅れや価格競争から、とりわけ燃料油のマージンが縮小、質的部分の先行きに懸念が残る。原油価格、為替相場の今後を考えれば、元売仕切り価格の上昇も予想され、適正マージン確保に向けた市況の構築が改めて焦点となってきそうだ。
2回目の定期配送に入った灯油は、例年より早い降雪や記録的な寒波の襲来が需要を一気に押し上げ、暖冬だった前年対比ではあるものの、販売量は10~20%の伸びと活況。また、拡販に向けた各販売業者の努力が実ってスタッドレスタイヤやバッテリー、オイルなど冬物商品の販売は「まずまず」で推移し、伸び悩んできたガソリンも「需要は旺盛」だとする販売業者が多い。
ただ、師走商戦に向けて明るい状況が広がる一方、ここにきて再び燃料油のマージン縮小が「大きな懸案事項」として浮かび上がってきた。
元売仕切り価格は、10月に入り上昇基調、11月に入ってからは横ばい基調で推移したが、頼みの灯油を含め、上昇局面での末端転嫁が思うに任せず、さらには横ばい局面での価格競争がマージンを圧迫。札幌市場では今月第3週、外資系販売業者の先行でガソリン価格が大幅に下落し、マージンは「5円あるなし」にまで落ち込んだ。
生産調整に向け、きょう30日に開かれるOPECの通常総会次第となるものの、原油価格が上昇すれば、トランプ米次期大統領の政策に対する期待から円安が加速する為替相場とも相まって、元売仕切り価格が上昇することは必至。一段と難しい局面を迎える。
師走商戦は、適正マージン確保に向けた市況構築への総力結集が改めて焦点となってきそうだ。
北海道のガソリン価格予想
12月22日(月)から12月28日(日)まで
価格下降
下げ傾向続く
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