
構造的な問題として行く手に立ちはだかる燃料油需要の減退、これに加えて人手不足が深刻の度をさらに深めるなど、とりわけ石油販売業界を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。そうした中で今、こうした危機的状況を「企業が変革し、成長するための好機」ととらえて経営課題や業務の見直し、働き手目線に立った職場環境づくりといったことなどに取り組む販売業者の姿が顕著になってきた。嘆くより「前を向こう」という発想だ。
いずれも道内で複数のSSを運営する販売業者だが、人手不足に悩まされ続けてきたある販売業者は、SSの客層や利用状況、販量、人員配置などを細かに精査。それまで一律だった営業時間の変更や日曜日の定休などを含め、それぞれの状況に応じ改善した。
スタッフの労働環境改善ももちろん視野に入れてのことだが、大きなねらいは「費用対効果」の検証。燃料油需要が減退する中で生き残っていくためには、経営のスリム化が不可欠になる、との思いからだ。
改革への第一歩を踏み出したこの経営者は「営業時間を短くすることで仮に販量が10klや20kl落ちても、それを上回る効果が確認できた」と手応えを口にする。
一方で別のある販売業者は、立地環境からも販量の増加が期待できないSSの給油機能を縮小させ、整備工場を主とした店舗展開を図る計画。現在、2SSを視野に入れているというが、これも経営の効率化を目指してのもの。
また、この販売業者では中国やベトナムなど外国人の採用も積極的に進める。今は関連企業向けの採用が多いが、整備工場にも数人を配置。ゆくゆくはSS店頭への配置もありそうだ。
こうしたほかにも店舗自体の付加価値づくりや人材の育成など各地、各販売業者で様々な取り組みが進む。需給のタイト化から収益環境が改善している今こそ、こうした取り組みの好機。危機的状況を「糧」に飛躍を目指す時がきた。
北海道のガソリン価格予想
4月28日(月)から5月4日(日)まで
価格下降
値戻し後の下げ基調
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04月30日付ヘッドライン
■業界取り巻く情勢共有 「定額補助」など俎上に 北石連・商理事会 |
■石油販売業者に「配慮」様々 官公需基本方針閣議決定 |
■価格高騰、車離れで油販苦戦 アプリ会員増加に注力 前側石油東北通SS |
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