灯油商戦 やっと本番
価格高騰 ふくらむ懸念
2018.11.30
 灯油の本格需要期に入って2カ月が過ぎようとしている。商戦序盤の10月から11月初旬までは気温が高く、初雪も例年より大幅に遅れたことで販売量が伸びずに販売業者をやきもきさせたが、今月中盤になって商戦もやっと本格化してきた。ただ、今シーズンは価格の高止まりを背景に昨シーズンなどとは違った状況も見え隠れし、今後への懸念も広がっている。

 札幌管区気象台によると、今年10月の札幌の平均気温は13.0℃。例年より1.2℃高く、史上4番目の暖かさだったという。こうした状況は道内他地域も変わらず、灯油商戦序盤は「例年の70%以下」といった声が聞かれるほどに販売量が伸びず販売業者をやきもきさせていた。

 そうした状況も今月中旬になり一転、各地に初雪の便りが届くようになって商戦もやっと本格化してきたが、今、高止まりする価格を背景に、今後への懸念も広がってきている。

 供給過剰懸念や地政学的リスクの後退などから原油価格は下げ基調にあるが、来月には減産を視野に入れたOPEC総会もあり、先読みはなかなかに難しいところ。仕入れのタイミングをどこにするかといった問題も出てくるが、100円台に乗った配達価格が仮にこのまま続くとすれば、節約意識が再び頭をもたげ需要に影響を及ぼすことは必至だ。

 過去の価格高騰期にも経験した金額・数量指定注文の増加による配送コストの上昇やドライバーの労働加重、代金回収のずれ込みによる資金繰りの悪化のみならず、灯油盗難の多発なども現実問題として出てくる。

 価格が下がっていけばこうした懸念も雨散霧消するが、当面は、価格に関するこまめな情報提供も含めた顧客との接点強化だけが打開への道になりそう。守りの商売から攻めの商売への脱皮が求められる。


北海道のガソリン価格予想
5月6日(月)から5月12日(日)まで
価格上昇
実質ベースで仕切り価格が上昇

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