「官設民営」SS誕生へ
伊達大滝、占冠トマムに
2017.4.5

伊達市大滝区では農系SSの全面改造を計画する
 燃料油需要の減退に低マージンが追い打ちをかけ、採算割れ覚悟の厳しい運営を強いられる道内各SS。とりわけ郡部では人口の減少や後継者不足などとも相まって閉鎖が相次ぎ、市町村内にSSが3カ所以下という「SS過疎地」が年々増えてきた。サプライチェーンの寸断は災害対策上の大きな瑕疵(かし)ともなりかねず、こうした事態の打開に向けては地方自治体主導による対策も求められているが、そうした中で今年夏以降、伊達市大滝区、占冠村トマム地区に「官設民営」のSSが誕生することになった。今、その準備が着々と進む。

 同一市町村内のSSが3カ所以下という「SS過疎地」は、昨年3月末現在、全国で288市町村、そのうち本道には62町村あり、また、最寄りのSSまで15km以上ある住民が居住する市町村も全国で257市町村、道内で72市町村ある。


 こうした地域では、住民の利便性といった問題のみならず、災害対策上の瑕疵ともなりかねないことから、早急な対策の構築が求められている。


■ 伊達市・大滝
 伊達市大滝区(旧大滝村)では、地域唯一の農系SSが地下タンクの老朽化などを理由に今月末で閉鎖となる。

 ここに居住する約500世帯、1100人が給油するためには、壮瞥町や喜茂別町まで行かなければならなくなるが、その距離25km以上。そこで市は「官設民営」によるSS存続を決めた。

 すでにSSを運営している地元農協と施設の無償譲渡契約を締結。今月の定例市議会で設置条例を可決し、指定管理者の募集も開始している。

 早急に地下タンクや計量機の入れ替えなども含めた施設の全面改造を行い、指定管理者の議会承認を待って8月1日の開所を目指す計画だ。

 灯油を含め計量機2基で、毎日午前8時から午後7時まで営業することにしており、地元住民の期待は大きい。


■ 占冠村・トマム
 平成25年4月に占冠村トマム地区唯一の商系SSが閉鎖。その後に実施した住民アンケートでもSSがないことを不安だとする回答が約8割を占めたことからSS再開を決めた。

 リゾート地でもあるこの地区の居住者数は、季節によって大きく変動するが、約340世帯、450人ほど。帯広での買い物ついでに給油する住民も多いというが、とりわけ災害対策に不可欠との判断によるものだ。

 すでに昨年3月、SS施設を取得。計量機の入れ替えも終えて開所を待つばかりだが、当初計画していたNPO法人による運営が難しくなったことから、今、一般社団法人(非営利)による運営を検討中。

 週に3日、1日3時間程度の営業を行うことにしており、今年10月頃の開所を目指す。

占冠村トマム地区ではすでに計量機の入替も終了


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06月10日付ヘッドライン

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