「春」近い道内石油村
低マージン常態化脱却
2019.1.1
 今年も残すところ10日ばかり。師走商戦は暖冬の影響もあって「やや苦戦」とも伝えられるが、道内石油業界のこの1年を振り返れば、需給のタイト化に伴う燃料油マージンの拡大で、やっと「春」が見えてきたと言えそう。また、北海道胆振東部地震では、はからずもエネルギー供給の「最後の砦」であることを改めて知らしめた。ただ、市況の2極化が鮮明になり、人手不足の影響も拡大するなど、課題が多様化した1年でもある。

 道央圏のある揮発油販売業者は「6月頃からガソリン市況が安定し、口銭も10円以上を確保することができた」と、この1年を振り返る。

 需給のタイト化に加えて、昨年4月に誕生したJXTGエネルギーが販売子会社や系列特約店などに採算販売を徹底したことなどから収益環境が大きく改善し、多くの販売業者が「適正」には届かないまでも、低マージンの常態化から抜け出せたことは自明。需要の減退など構造的問題はあるにしても、道内石油村に待望の「春」が見えてきた1年だったことは確かなようだ。

 また、9月に発生した胆振東部地震や、それに伴う未曾有のブラックアウトでは、中核SSや小口燃料配送拠点、住民拠点SSなどが非常用発電機を稼動させ、燃料油の供給に奮闘。細かな課題は残しながらも、災害時におけるエネルギー供給の「最後の砦」であることを改めて知らしめた。

 ただ、一方で旭川、函館、釧路などでは、安値量販店の攻勢から適正市況の維持さえままならないなど、札幌など安定市場との2極化をより鮮明にし、根深い問題を改めて露呈。さらに未だ解決策を見出せない人手不足の影響が様々な部分に拡散、拡大するなど、課題がこれまでより大きくなった1年でもあった。

 今年を一言で総括するとすれば、まさに「明暗交錯の1年」ということになるのだろうか。


北海道のガソリン価格予想
5月13日(月)から5月19日(日)まで
価格上昇
一部に値戻しの動き

05月20日付掲載予定

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