GW前に値戻し進む
低マージン脱却の好機
2017.4.25

フルSSでは134円看板が大勢となった
 シリアや北朝鮮をめぐる国際情勢の緊迫化を背景とした原油価格の高騰や円高の加速などを受け、元売仕切り価格は上げ基調で推移。そうした中、道内各市場をリードする札幌市場で第4週早々から値戻しが進み、レギュラーガソリン看板価格は、ほぼ1カ月ぶりでフルSS134円、セルフSS131円大勢となった。今年前半最大の需要期となるゴールデンウィークに向けた第1歩、採算販売への「礎」となっていくかが注目される。

 元売仕切り価格は、2月末から上げ基調で推移し、上げ止まるまでの3週間に3円から6円50銭までの幅で上昇。これを受け札幌市場では3月第2週から値戻し、3月第3週から底上げに向けた動きが顕著となり、レギュラーガソリン看板価格はフル134円、セルフ131円大勢にまで持ち上がっていた。

 その後、ほぼ4週にわたった仕切り価格の据え置きで4円程度軟化。エネ庁発表の「卸価格」から推計すると、口銭は最大でも8円強と収益環境は悪化していた。

 今回の値戻しは、仕切りの上昇に加え、そうした状況に多くの販売業者が危機感を募らせたことによるもの。今年前半最大の需要期となるゴールデンウィークも視野に入れたようだ。

 複数のSSを運営する特約店経営者は「採算販売ということからすれば少し足りないが、まずは一安心。崩れないことを祈るだけ」と話す。

 今後、米シェールオイルの増産に伴う供給過剰感の再燃と、シリアや北朝鮮をめぐる地政学リスク回避の動きが相関することで、原油価格がどう動くか先読みは難しいものの、為替相場の現状なども考慮すれば、仕切り価格の上昇は十分に考えられるところ。

 「量」より「質」が言われて久しいが、今回の値戻しを崩さずに、採算販売への「礎」とすることが期待される。低マージンからの脱却に向けたチャンス到来だ。


北海道のガソリン価格予想
4月28日(月)から5月4日(日)まで
価格下降
値戻し後の下げ基調

04月30日付ヘッドライン

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■石油販売業者に「配慮」様々 官公需基本方針閣議決定
■価格高騰、車離れで油販苦戦 アプリ会員増加に注力 前側石油東北通SS
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